2014年6月30日月曜日

水無月晦日のおやつ

水無月晦日の6月30日は、水無月を食べる日だってご存知ですか?
 
白いういろう生地に甘く炊いた小豆を散りばめた水無月は、6月の京都の和菓子店では定番の品。これを食べながら、「梅雨が明けたら、いよいよ夏だな」と季節の移ろいに思いを巡らせる。そんなティータイムが、この時期の京都のお楽しみだったりします。

さて京都では、1年の折り返し点にあたる6月30日に、半年間の罪や穢れを祓い、残り半年間の無病息災を祈願する「夏越祓(なごしのはらえ)」と言う神事が行われます。このとき用いられるのが、和菓子の水無月です。白いういろう生地は暑気を払う氷を表し、それを魔除け、疫病除けの意味を込めて三角形に切り、上層の小豆には悪魔祓いの意味を込めていると言われています。日常の生活で少しずつたまっていく厄をこまめに祓うことにより、日々を息災に暮らしたい。そんな願いが、この伝統的なお菓子に込められているのですね。




ところで小豆。和菓子や赤飯などでお馴染みですが、マクロビオティックでは腎臓に作用して解毒と利尿に効果のある食材だと言われています。なるほど、春が過ぎて気温が上がってくると、水やジュースなど冷たい飲み物を飲み過ぎてしまったり、のどごしの良いビールを晩酌にゴクゴクとやってしまったり・・・。ついつい水分を取り過ぎてしまい、いつも腎臓がフル稼働の状態になってしまいがち。腎臓は古い血液を濾過して、老廃物とともに余分な水分を体の外に排出する働きをします。つまり、デトックスとむくみ取りをという大役を担っている臓器ってこと!!

山に囲まれて、鍋底と言われるほどに暑い京都の真夏を目前に、小豆を食べて元気にキレイに、と言うわけですね♪


すまや 京おばんざい教室では、体験レッスンを受付ています。 ホームページでレッスン日程をチェック!  お気軽にお問合せください。
お電話: 075-351-4598
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2014年6月27日金曜日

7月前半の教室お献立

空梅雨かな?と思ったら、突然の豪雨にずぶぬれになったり。かと思ったら、早くも30℃を超す真夏日が続き、暑さに慣れていない体は、早くもバテ気味。と、そんなときこそお野菜たっぷり、ヘルシーな夏のおばんざいで元気をチャージしてください。
◆鮎の塩焼き 生きた鮎に串を打ち、塩焼きにします。今ごろはまだ小ぶりな鮎ですが、その焼きたてを骨まで丸ごと、鮎らしい苦味も味わってもらう仕立てです。

◆牛肉とセロリの山椒炒め 清涼感のあるセロリの芳香に山椒の香りを重ねた食べごたえのある1品です。


◆長芋と甘夏の酢の物 夏バテ対策に食べたいネバネバ食材代表の長芋を柑橘の酸味と香り、ほのかな甘さでサッパリと。

◆順菜の冷やし汁 ツルリとなめらかな口当たりの順菜のお汁をひんやり冷やして。この夏の定番にしてください。

◆新しょうがごはん 食欲増進に効果的と言われるショウガを加えた夏のごはんです。夏バテ予防にピッタリ!

◆錦玉羹 フルーツや白玉、あずきを寒天寄せにした、夏の甘味です。金魚の形がかわいい♪



夜のレッスンに比較的、空きがあります。ご参加お申込み、お待ちしております!


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6月後半の教室のお献立

夏野菜の代表選手と言えば、茄子や青唐辛子。これらの野菜も、温室での栽培や流通の発達の恩恵を受けて、今では年中スーパーに並んでいます

よね。でも、夏野菜には体にこもった熱を排出する作用があると言われています。暑い季節をバテずに過ごすためにも、これからの季節にしっかりと食べておきたい食材たちです。

さて、すまや 京おばんざい教室では、そんな夏やさいをたっぷり使った初夏のお献立をお教えしています。

◆ごぼうと牛肉と万願寺唐辛子の炊いたん
出始めの今ごろ、まだ外皮の柔らかな茄子を油で揚げてトロトロに。さやいんげんと合わせてごま味噌で和えています。ごまの香りもこうばしく、ごはんが進む野菜のおばんざい!

◆揚げなすとさやいんげんのごま味噌和え
もう1品、京都の夏野菜を代表する万願寺唐辛子。普通の青唐辛子よりも長く、ヒョロヒョロと曲がった姿が個性的なこの京野菜は、ほんのり甘苦くて柔らか。焼き浸しなどシンプルな仕立てでも充分においしいけど、今回はちょっぴり手間をかけて若ごぼうと牛肉を合わせて炊いたんに。

ところでこの「炊いたん」。
京都では馴染みの言葉で、煮炊きしたおばんざいのことを言います。聞きなれない人には「タイタン」とアニメのキャラか古代ローマ神話に登場してる!?と思われますが、さにあらず。家庭の一般的な調理法のことなんです(笑)。

◆かしわの柚子胡椒焼き
主菜はかしわの柚子胡椒焼き。
この「かしわ」も京都の昭和世代には口慣れた言葉で、鶏肉のこと。決して「かしわ餅」のことではありません(笑)
今回はこの「かしわ」を照り焼き風にタレ焼きにして、仕上げに柚子胡椒のアクセントを加えました。ちょっと大人の味で、よく冷えたビールや白ワインとの相性も抜群!でした。


◆蕎麦寿司
◆蕎麦すいとん汁
締めの品は蕎麦を使った2品。
束ねて茹でた乾麺の蕎麦を巻き寿司。ダシを煮立てず作るのに、天然だしの旨味をしっかり含むラクチンめんつゆで食べる麺料理です。ところでこの束ねた蕎麦は、束の根本を切り落として使います。気になる根本も捨てずに、粉を練り合わせてすいとんに丸めて、汁物の具材としていただきます。

山に囲まれ、海や農産地から離れて、食材を遠方から運び入れてる京都らしい、素材を大切に使い切る工夫に満ちたおばんざいです。



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初夏のイタリアン、教わりました!

先日の日曜は、恒例!北靖央シェフの京イタリア料理レッスンでした。
今回のメニューは初夏の野菜をたっぷり盛り込んだ4品。レッスンには厨房男子の生徒さんもご参加! 和気あいあいの楽しいキッチンです。






まず前菜のバーニャカウダー風ディップパテ。バーニャカウダーは北イタリア、ピエモンテ州の郷土料理で、ニンニクとアンチョビ、オリーブオイルを合わせたソースのこと。これをマッシュポテトに混ぜ合わせたディップにして、たっぷりの野菜に添えました。ひとくち食べるとフワッとニンニクとオリーブオイルの香りが広がり、なんともこうばしいんです。アンチョビの旨味も野菜と相性抜群に、キリリと冷えた白ワインがさらにおいしく! お皿いっぱいの野菜もペロリと食べさせてくれました。





続く2皿目は、残ったパンを使ったパンツァネッラ。イタリア・トスカーナの郷土料理で、トマトや玉ねぎ、パプリカなど野菜の取り合わせもカラフルなサラダです。いろんな野菜のエキスとビネガー、オリーブオイルが染み込んだパンもおいしく食べごたえがあって、暑い日のミネラル補給にピッタリ! 残った材料を上手においしく、きちんと使い切る仕立てが、京おばんざいに通じるな、と関心。














そしてパスタは、6月に禁漁が明けて市場に出回り始めた鮎とキュウリのスパゲティーニ。じっくり香ばしく、丸ごとソテーした鮎の頭と骨でスープを、柔らかな身を具材にしたオイル系のソースでした。清涼感をおびた鮎の青苦さと、その香りに似たキュウリの組み合わせも爽やかに、3皿目なのにスルスル食べられました。骨や頭も活かして、その旨味をソースにする。これまた京都のおばんざいに通じる、素材を大切にする料理だな、と関心しました。

香魚と言われる鮎のこうばしさと旨味をパスタにからめて、キュウリのシャキシャキとした食感、清涼感に食が進みます。



メインはハムとモッツァレラチーズのナス巻きのオーブン焼き。料理名だけ見ると、イタリア風焼きナスのようで、メインと言うにはちょっと物足りない?と思ってましたが、さにあらず。旨味濃厚な生ハムと分厚くカットしたモッツァレラチーズ、トマトソースを重ねて、なんともボリューム満点! しかも野菜たっぷりだからたくさん食べてもヘルシー♪ サラダもパスタも、しっかり食べたことを忘れて、みっちりと食べてしまいました(笑)。

お楽しみの試食タイムには、料理に合わせて北シェフが選んでくれたワインも。キリリと冷えた白ワインが、夏の味覚をさらにおいしくしてくれました!


次回、北シェフの京イタリア料理教室は7月27日に開催予定です。

初心者でも本格的なイタリア料理に挑戦できる楽しいレッスン。みなさまのご参加、お待ちしております!


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2014年6月13日金曜日

牛乳と京都の長い関係

はじめまして、京都・烏丸にある「すまや 京おばんざい教室」です。

これから京都の旬ネタや祭事にまつわるお話し、ちょっと内緒の見所など、
いろんなお話をご紹介申し上げていこうと思っています。
どうぞ宜しくお願いします。
さてさて、入梅の声を待っていたかのように、日本列島が雨雲に覆われて、各地から雨の便りが届くこのごろ。
 京都でも今週は降ったりやんだり。ちょっぴり鬱陶しい空模様が続いてます。
 さて、6月前半のすまや 京おばんざい教室では、そんな季節にぴったりのサラリと食べやすいおばんざい5品のつくり方を伝授しています。

そのひとつが「酪豆腐」。





酪豆腐の「酪」は、酪農の「酪」。つまり牛乳のことなんですね。
京おばんざいなのに牛乳!?と、ちょっと驚かれるかもしれませんが、意外に京都と牛乳は長いご縁があるんですよ。
日本に牛乳が伝えられたのは飛鳥時代。
百済からの帰化人が、時の孝徳天皇に献上した牛乳の加工品「蘇」を大変に気に入られたとの記録が残っています。
その後、冷泉天皇の時代、京都に乳牛院(つまり天皇の御用牧場)がつくられ、搾りたての牛乳が天皇に献上されていたそうです。
乳牛院のあった場所は「右近馬場の西」だそうで、今の北野天満宮の南辺りでしょうか。
そこから今出川通を経て、京都御所まで運び込まれていたのかな?
と言うことは、搾りたて30分後くらいのおいしい牛乳を飲んでいたのかな? などとアレコレ想像を膨らませてみたりして(笑)。
ところでこの「酪」の字。
かつては牛乳を煮たものを指したそうで、それをさらに煮詰めたものが「蘇」、発酵させたものを「醍醐」と呼んだとか。
酪=ミルクのスープ、蘇=練乳、醍醐=チーズ。
そんな感じでしょうか。

今月前半のレッスンでお教えしている「酪豆腐」は、本来は牛乳に葛粉を加えて温め、冷やし固めたものです。
でもすまやでは、ヘルシーに食べてもらえるよう豆乳で仕立てるレシピにしました。
煎りゴマをたっぷり加えて、口に入れるとトロリなめらかにとろけ、粒々のゴマがほどけて、香ばしさが広がります。 ジメジメと蒸し暑い梅雨の雨降りの日にも、スルリと食べられるおいしい一品です。

すまや 京おばんざい教室では、体験レッスンを受付ています。ホームページでレッスン日程をチェック! お気軽にお問合せください。
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